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中国の車窓から 広州ウルムチ51時間の旅―その2 【宝鶏〜ウルムチ】

 広州ウルムチ間を47時間2泊3日かけて結ぶZ138/135次。折しも12月30日の未明に降った大雪のため、2時間以上の遅延を余儀なくされています。終点まで残りの時間と距離の半分を切ったこの列車は遅れた分を取戻してウルムチ駅に辿り着けるかどうか非常に気になる今回の鉄道旅行。

 間に合えば次の列車に乗り継ぐことができ、間に合わなければ今後の行程が全てパーの恐れにもなる可能性を含んでいます。当事者たちの手に汗握る新年乗り鉄企画の続編をお楽しみください。

●天水まで幾度となく渓谷とトンネルが続く

 宝鶏駅を発車したZ135次は、成都に向かう宝成線と分岐して南に並走する渭河とともに陝西省と甘粛省の境にある狭い山間へと入っていきます。車窓の左手には陝西省と四川省を分断する秦嶺山脈が立ちはだかっています。

 宝鶏駅から天水駅までは隴海線(連雲港〜蘭州間の1759㎞)のハイライトと呼べる絶景が続きます。同線の全線開通は1953年とかなり年代が経っていますが、宝鶏〜蘭州間は山間を走る単線ゆえボトルネックになっていました。それを解消するために2003年にもう1本の新線が開業し複線として今に至ります。

旧線は上り線、新線は下り線です。宝鶏の標高は570m、この線路の500㎞先にある甘粛省蘭州市中心部の標高は約1530mと1000mの標高差があります。

 進むにつれ、上り線は渭河に沿って敷かれているためカーブが多いのに対し、下り線はほぼ真っすぐのまま敷かれています。ときどき、上り線が下り線の下を交差して反対方向に向かう光景も幾度となく見かけました。

 00年以前の中国鉄道の山間工事は、自然に寄り添って線路を敷いていく工程に対し、00年以降は自然への果敢な挑戦とも取れるべき工程で進めてきました。山があればトンネルを掘り、谷があれば橋梁を設けるといったできるだけカーブを減らし直線になるように作業を続け現在に至っています。

渭河の周りは前日の湖南省のように残雪が続いています。甘粛省や青海省では18年12月24日の大雪に見舞われたので、まだ溶けないまま残っているのでしょう。幾度となく山が迫り長い橋梁で河を渡るダイナミックな光景は途中の天水まで続きます。

 諸子百家の老子と唐の太祖である李世民の出身地の天水には同駅の1番線ホームに2人の白い像が建てられています。古代中国思想の先駆者と古代から中世にかけて日本の政治制度に影響を及ぼした強大な王朝を築いた創始者の像が並ぶこの土地も別れを告げ、列車は標高を上げて蘭州へと進んでいきます。

 天水を離れてからは迫力ある景色が減りましたが、西安から蘭州まで続く高速鉄道の宝蘭高鉄(宝蘭南〜蘭州西、400㎞)の高規格路線を見るようになりました。この路線もやはり真っ直ぐな線形が続き、蘭州駅を南に迂回して、蘭州西駅へと入っていきます。列車は2時間30分ほど遅れて17時過ぎに蘭州駅へと滑り込みました。

●蘭州からシルクロードへ。予想外のルート変更

 蘭州駅に15分ほど停車したZ135次は2両の和諧電気機関車1D型が牽引して蘭州駅を後にしました。ここから祁連山脈を超えるので単機だと出力不足だったのでしょう。機関車の重連という言葉がすごく頼りになります。

 すでに空は薄暗くなり2日目の夜がやって来ました。途中、蘭州西駅を通過します。ホームが26もあり結構大きいです。遠くには赤いテールランプを光らせた高速鉄道数本が停車していました。

列車はこれから青海省の西寧市を経由してシルクロードへと向かいますが…本来向かう路線とは離れて蘭新線(蘭州〜阿拉山口、2423㎞)へと入っていきました。迂回する話は聞いていません。

 乗務員に尋ねると、クリスマスに降った大雪で西寧方面の地層が歪んでしまい、被災したトンネルを閉鎖してしまったため、一部の長距離列車は迂回をしたということ。自然災害が原因によるこのような体験は滅多にありませんが、嬉しくもありません。

 本来なら西寧駅から嘉峪関駅までは蘭新高速鉄道を走るため、これまでの遅延回復を期待していたのですが、まさかの迂回決定でその儚い希望も崩れ去りました。

外はすでに真っ暗で、民家の明かりひとつ見えません。山の中を走ったのでしょうか。地図を見ると、ちょうど「河西回廊」と呼ばれる北の砂漠地帯と南の祁連山脈に挟まれた細長い平地を走っています。河西回廊をこのまま真っ直ぐ進むと、かつて西域と呼ばれた場所(今の新疆ウイグル自治区)へ入っていきます。
 
 2日目の夕食を済ませてからしばらく横になっていましたが、スマホの気温を見るとすでにマイナス10度を下回っていました。車両は鋼鉄で頑丈にできており、なおかつ個室内は暖房がかなり効いているので車内で凍えるということもありませんし、トイレも窓がないタイプになっているので、冷気が入ってくることもなく、寒暖の差に怯えることもありません。

 列車は21時過ぎに本来停車する張掖西駅でなく張掖駅に停車、22時過ぎに酒泉南駅ではなく酒泉駅に停車、23時過ぎに嘉峪関駅に停車しました。今回蘭州から嘉峪関までの区間はイレギュラーです。切符予約サイトの12306を見ると、1月17日以降のZ135次のダイヤは、西寧駅停車が取り消されていますが、張掖西駅と酒泉南駅には停車をするようになっています。万里の長城の西端である嘉峪関駅には年が明けた24時過ぎに到着です。

●やっとウルムチ駅に到着。ここが生死の分かれ目(笑)

 ガタンという振動で目を覚ましたとき、列車はハミ駅を発車していました。時計の針を見ると19年1月1日の5時過ぎでようやく新疆ウイグル自治区に入ったと実感しました。中国の東北部ならそろそろ薄日が差し込んできますが、西北部は2〜3時間ほど時差があるため、初日の出は10時ごろでしょうか?
 
 列車は同駅から再び高速鉄道線に入り、「ヒューン」という加速していく音が床下からハッキリと聞き取れました。

 次に目が覚めたときはトルファン北駅手前。時計の針は9時を差していました。多少ダイヤは短縮しまたが、次に乗り換える列車の発車時間には到底間に合わず、実質3時間の遅れのままでした。窓の外はようやく薄明りになりかけてきました。

10時ごろようやく19年の初日の出を拝むことができました。

 列車は雪一面に覆われた砂漠を西上して快走しています。並走する在来線は貨物の需要が多いのかしょっちゅうすれ違ったり、追い抜いたりしました。車窓の左手には天山山脈と思わしき山が遠くに見え、一面雪景色のまま。麓には地図にも載っている塩湖がちらっちらっと見えました。

 列車は、終点駅に近づくにつれ速度を落とし始めました。かつてウルムチ駅と呼ばれ、今はウルムチ南駅と改名した同駅のホームをゆっくり通過後、差し掛かったトンネルで本来乗車するD動車組とすれ違いました。昨年夏までならウルムチ南駅にもほとんどの列車が停車しましたが、今は通過してしまうため同駅での乗り換えウルトラCという技は使えなくなっていました。

 トンネルを出ると、さっきよりも雪景色が広がっています。もしかすると、ウルムチ駅は南駅よりもずっと寒いかもしれません。
 
 列車は11時2分に3時間遅れでウルムチ駅に到着。51時間の長旅もこれで終わりですが、ここからが本当の勝負の始まりです。

●切符変更に成功!次の列車で嘉峪関へ

 本来Z135次がウルムチ駅に到着する時間は8時6分、次に乗車する嘉峪関南駅行きD2712次は10時45分発(当時)には十分間に合う行程を組んでましたがまさかの遅延でそれもフイ。

 列車の終点到着直前に発車してしまいました。いまさら次の列車の切符を放棄して、飛行機にも乗りたくありませんし、かといってウルムチで1泊するわけにも行きません。

 どうするか思案したところ、次の列車発車が前の発車の2時間以内なら切符の変更(改簽、GaiQian)ができることが分かりました。幸い次の12時9分(当時、今は12時22分発)に発車するD2708次の切符はまだ余っていたので、これに賭けてみました。

 ウルムチ駅には16のホームありますが、列車は出口から一番遠い16番ホームに停車。ここから走って階段を降り、最初に向かったところは駅の外手前にある乗り継ぎ切符売り場(中換售票、ZhongHuanShouPiao)。切符変更ができないかどうか聞きましたが、ここでは販売のみと言われ、結局切符変更の手続きをするため、駅出口を出て2階の切符売り場へ移動しました。出口を出る際、駅公安による検査はありませんでした。
 
 外はマイナス16度という極寒のなか、手袋と耳当てと厚手の靴下がないと立っているだけで凍えてきます。

 同駅では切符売り場でも身体検査と手荷物検査を実施していますが、身体検査は保安員が検査器械を使わず、ビニール手袋をして肩から腰、足のくるぶしまで調べる徹底ぶり。この身体検査で結構時間を取られてしまい、切符売り場に入るのに10分ほど時間を取られました。広州ではここまで厳しい検査は行っておりません。

 時計を見ると次の乗車する列車の発車まですでに50分を切っていることがわかり、内心焦りが出ていました。窓口での並び待ちが少なかったのが不幸中の幸いでした。


☆本来
Z135次は8時6分にウルムチ駅に到着。
10時45分発車のD2712次に乗車。

↓↓↓↓ 切符変更!!

☆現実
Z135次は3時間遅れの11時2分にウルムチ駅に到着。
切符を変更して12時9分発のD2708次に乗車。

 
 窓口でパスポートとすでに発券済みの切符を見せて変更できるか聞いたところ、「できる」ということなので、すぐに切符を変更。まず第1関門はクリア。続いて駅舎に進みます。

 駅舎に入る際、またもや身体検査で待ち時間を食らってしまい、発車20分前に何とか改札口にたどり着くことができました。
 
 無事にウルムチ駅発車する列車に乗れた一行は、次の目的地の嘉峪関へと向かいます。次回は嘉峪関乗り継ぎ蘭州まで向かうときに起こったハプニング第2弾をお届けします。
(つづく)