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山間の菜の花畑を走るSLに乗ろう-芭石鉄路

 環境問題の提起がきっかけで、中国各地で蒸気機関車の淘汰が進んでいるなか、四川省楽山市犍為県を走る芭石鉄路(嘉陽集団芭石鉄路)は今でも蒸気機関車が現役で稼動している。同路線は、世界でも珍しい762㎜の線路幅を持ち、可愛らしいC2蒸気機関車がマッチ箱のような客車を連結して毎日運行している。そして3月から4月にかけて、菜の花をバックに世界でも希少な蒸気機関車を写真に収めようと国内外から大勢の観光客がやって来るのだった。



◎産業遺産として保護される
 かつて80年代までは、蒸気機関車天国といわれた中国も、環境問題と輸送力増強のため各地で蒸気機関車の淘汰が次々と進み、はっきりと残っている場所は全国で5カ所とついに片手で数えられるまで減ってしまった。そのなかで、四川省の芭石鉄路では全国でも珍しく蒸気機関車を産業遺産として残している。現在でも1日3本、週末になると臨時の観光列車を走らせるため、沿線は大勢の観光客で賑わっている。

 元々は山奥にある黄村井の炭鉱で採掘した石炭を長江支流の岷江まで運ぶために1959年に誕生した同路線は、一度は廃線の危機に陥ったものの、ファンの根強い訪問によって存続を決定。2007年には蒸気機関車が走る全区間を省クラスの重点文物保護単位としてとして認められ、13年には中国鉄道博物館の協力を得て蜜蜂岩駅に鉄道博物館を建設した。蒸気機関車が吐き出す噴煙が大気汚染の原因として批判にさらされているなか、芭石鉄路の蒸気機関車は最後まで残っている。


◎アクセスは成都空港から約3時間
 世界でも稀な狭軌の蒸気機関車が走る四川省楽山市犍為県までのアクセスは下記の通り。成都市内から犍為県まで約2.5〜3.5時間、成都空港からは楽山市まで高速鉄道、楽山市から犍為県までバスを使ってそれぞれ移動する。

成都市内から…犍為まで高速バスが出ている。犍為まで約2.5〜3時間。犍為から蒸気機関車の始発駅となる躍進駅(三井)までは10分置きにバスが出ており、片道約40分。タクシーなら約20分で着く。犍為の街中にはホテルが数軒あるため、沿線での宿確保ができなければここで泊まろう。

成都空港から…同空港の地下に双流機場駅があり、高速鉄道が楽山駅まで1日10本運行、移動時間約50分前後。楽山駅そばにあるバスターミナルから犍為行きのバスに乗車、移動時間約1時間。犍為から躍進までは上記を参考に。
 


◎明光風靡な場所を走る

 続いて芭石鉄道が走る明光風靡なスポットをご紹介。ここのポイントを覚えておけば、訪問したときでも困ることはない。平行する道路がないため、線路そのものが生活道路となっている。移動は地元の人が運転するバイクタクシーを使うか、蒸気機関車の列車を使うか、自力で歩くかの3つからしか選べない。


①石渓駅…通勤列車が走るが朝夕運行のみが発着するため、観光客は利用する機会がない

②躍進駅…観光列車はこの駅がスタート。蒸気機関車はこの駅に来るときは先頭側、発車するときはバック(テンダーが先頭)で向かう。次の蜜蜂岩駅まで約5㎞あるが、観光客は線路沿いを歩き登って行く。当日の運行予定は同駅の事務所で聞ける

③蜜蜂岩駅…この駅ではスイッチバックとなっているため、上りと下りの蒸気機関車の先頭が変わる。この駅で上下線交換が発生する。駅前には売店も兼ねた民宿と鉄道博物館がある。同駅を芭溝方面に出発して約500m進んだ高台から菜の花畑の中を突っ切る蒸気機関車を俯瞰撮影できる

④老鷹嘴…手前には長さ49mの短いトンネルがあるが、撮り鉄で300㎜以上の望遠レンズを持っていれば、蒸気機関車がトンネル反対側の入り口にやって来る直前を狙える

⑤菜子壩駅…この駅で列車の上下線交換が発生する。蜜蜂岩駅方面の駅手前には有名なオメガカーブがあり、カーブの内側には美しい段々畑が広がる。この駅から躍進駅までは何とか歩いて帰れる距離(約8㎞)

⑥仙人脚駅…海抜600mの同路線のサミットがある

⑦焦壩駅…この駅で列車の上下線交換が発生する。同駅から仙人脚駅方面に10分ほど進むと、撮り鉄スポットで有名な焦壩築堤がある

⑧芭溝駅…観光列車の終着駅。沿線最大級の集落がある。この駅から専用トロッコに乗って炭鉱見学コース(80元)があるが、事前に躍進駅で申込が必要

⑨黄村井駅…通勤列車の終着駅。奥に炭鉱見学コースがある



◎通勤列車と観光列車の2つを用意
 躍進駅からスタートする芭石鉄路の観光列車の全区間は、終点の芭溝まで約14㎞で乗車時間は約2時間。本来は石渓〜黄村井間を運転していたが、爆発的に増えた観光客対応のため、始発と終点を変えている。

 単線のため、本数は1日3〜5本だが、週末になると臨時列車が2〜4本加わるほか、躍進駅から5㎞先の蜜蜂岩駅まで短距離列車が往復するときもある。途中駅は蜜蜂岩駅、菜子壩駅、仙人脚駅、焦壩駅があり、大体1駅2〜5㎞の区間にあたる。

 列車は、早朝と夕方1本ずつ往復する地元の足の通勤列車と観光客を乗せて走る観光列車の2タイプ。貨車を改造した通勤列車の乗り心地はお世辞にも良いとは言えないが、料金は全区間片道20元で詰めるだけ詰めることができる。一方観光列車は全区間片道80元と高く、全車両指定席のため観光シーズンのピーク時には始発駅からすぐに乗れないこともある。しかも終点の芭溝駅では到着後5分も経たずすぐ折り返し発車してしまい、乗り遅れると次の列車が来るまで2時間近く待たされる不便な点もある。

 ただし、観光列車は観光客向けに効率的なフォトランサービスを実施してくれる。これは乗客を有名な撮影スポットで全員降ろして高台に登らせたあと、蒸気機関車は一度バックしてから再び豪快に煙と水蒸気を巻き上げて猛進するのでそれを撮影するのだ。フォトラン箇所のひとつは、蜜蜂岩を発車して500m先の高台付きカーブ、もうひとつは焦壩築堤の2箇所。カメラさえあれば、芭石鉄路で有名な撮り鉄が誰でもお気軽にでき、蒸気機関車に乗った、撮ったという欲求を満たしてくれるイベントなのだ。



◎理想は2泊3日。通勤列車と観光列車を上手に使う

蜜蜂岩駅では大勢の観光客が蒸気機関車の周りに集まる

 ここでは理想の行動をご紹介。旅行する際のプランとして役立ててほしい。最初にホテル候補だが、躍進駅にそばに嘉陽ホテル(1泊180元前後)か蜜蜂岩にある民宿、芭溝にある民宿のうち、嘉陽ホテルがベター。早朝通勤列車にも乗れるし、周りはスーパーや食堂が幾つも軒を連ねているから食事に困らない。
 蜜蜂岩の民宿は、オーナーは親切で手料理を振る舞ってくれるが、トイレは離れにあるので女性にはお薦めできない。

 1日目。早朝広州から飛行機で成都まで行くと、大体現地に到着するのは早ければ13時ぐらい。まずここで当日蜜蜂岩まで向かう列車の切符の有無を確認。年を追うごとに観光客は増えているため、切符入手もだんだん厳しくなってきている。

 もし、ここで本日の切符が売り切れていても焦ることはない。駅そばの嘉陽ホテルを予約していれば、さっさとチェックインできるし身軽の状態で、途中沿線で観光列車を撮りつつ蜜蜂岩まで運動を兼ねて歩いて行くこともできる。もしくは明日以降の観光列車の切符を買うこともできる。この日に往復の観光列車の切符が残っていればしめたもの。行って帰る乗り鉄だが、蜜蜂岩駅と菜子壩駅の列車交換待ちで列車を降りて写真を撮ることもできる(ただし、待ち時間が短いと降ろしてくれない)し、蜜蜂岩から先のお立ち台と焦壩築堤でのフォトランも撮れる。

 2日目は早朝の通勤列車で少なくとも菜子壩駅まで乗車。この駅で列車を見送ったあと、カーブを曲がってやって来る次の観光列車を狙い撃つ。観光シーズンなら約1時間に1本のペースで列車が来るため、午前中はここにずっといても飽きない。お昼から線路沿に蜜蜂岩経由で躍進まで歩いて帰る。途中老鷹嘴のトンネルで観光列車を撮影することができるし、トンネルを抜けたあとは撮影用のお立ち台がある。山間に響き渡る蒸気機関車の汽笛が聞こえて来ると、列車が来るまでの短い間、期待感が高くなる。

 そして、蜜蜂岩駅では上下でやって来る観光列車を撮影し、他の観光客と一緒に躍進駅まで戻ろう。下り坂だから1時間もかからない。途中みんな線路の上でV字バランスの決めポーズをしており、見ているこっちが楽しくなる。

 3日目もお昼まで前日と同じパターンで楽しむのもいいし、終点の芭溝駅まで行き集落を散策するのもいいし、炭鉱見学ツアーに参加するのもいい。通勤電車と観光列車を上手に使って自分の撮りたいことができるのも、芭石鉄路の魅力。3月4月5月は沿線に咲く花がとても綺麗なので、ぜひ蒸気機関車と一緒に撮影してみよう。

◎ただし5年後は読めない
 17年末に衝撃的なニュースが入ってきた。芭石鉄路で外側を蒸気機関車、中身をディーゼルカーに換装した車両が登場。蒸気機関車の雰囲気を出すために人工的に煙や水蒸気を吐き出し演出する仕組みになっている。今のところシーズン中の観光列車のみ運行に就いているが、蒸気機関車自体老朽化していることもあり、5年後どうなっているかはまったく読めない。行くなら今しかないのだ。