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D930次|寝台新幹線は人民を救う〜

 中国国内の長距離を移動するなら、当然飛行機が一番便利、旅情を楽しみたいというなら列車移動という選択肢もある。今回ご紹介する列車は今年の5月に登場した昆明南〜北京西を結ぶ寝台新幹線のD930次。全区間2760㎞を高速鉄道路線で運行することで並行在来線を走る直達特快列車より20時間早い14時間13分というダイヤを実現した。昼間移動よりラクチンな寝台新幹線の魅力に迫る。

 D930次が走るルートは、昆明南駅から長沙南駅まで滬昆高速鉄道(昆明南〜上海虹橋)を経由し、長沙南駅から北京西駅までは京広高速鉄道(広州南〜北京西)を経由し、全区間平行在来線を一切使わず高速鉄道を一晩走る寝台新幹線だ。
 今だからこそ中国全土で高速鉄道が走っているが、中国全土に高速鉄道を敷く建設計画は、2004年と08年に構想された「中長期鉄路網計画」に基づき工事が進められた。17年8月の時点で時速200㎞以上で走行する高速鉄道路線だけで全国で約2.3万㎞超えを実現。寧夏回族自治区、チベット自治区を除く地域では和諧号(7月より復興号も運行開始)と呼ばれる白い動車組が走り、地域経済の活性化に貢献している。
 このうち、D930次が走る京広高速鉄道は12年末に全線開業、遅れること4年後の16年年末に上海と昆明を結ぶ滬昆線高速鉄道が全線開業した。

 昆明から北京までの全線開業当初は昼間運行の時速300㎞で走るG高速列車が2本設定され、それぞれ10時間43分と12時間18分で結んでいた。しかし、如何せん朝もしくは午前中に出発して夕方もしくは深夜に到着するダイヤだったため、全区間乗り通しする乗客にとって終点到着後活動できる時間帯が限定されてしまう。

 中国高速鉄道では、深夜の線路の保守点検があるため、一部の区間を除き夜間運転に踏み切ることができず、新規高速鉄道が開業するごとに「朝出発して夜には到着する!」、と飛行機と競合すれば完全に負けるというツッコミが入りそうな宣伝文句を並び立てていた。2000㎞以上の区間移動なら飛行機を選ぶのは自明の理で、実際の乗客のほとんどは区間乗車が多く、全線完乗はほぼ皆無に等しい。
 しかし、夜間移動は寝ている間に目的地まで到着するという利用者にとって時間短縮とホテル宿泊費が浮く経済効果が出てくるため、国内旅行需要喚起のために寝台新幹線の登場に十分な期待はあった。すでに貴陽北駅〜北京西駅間は寝台新幹線が走っていたため、登場は時間の問題だといわれていた。

 2017年春、昆明南駅と北京西駅を結ぶD930次が開業した。金土日月の週4回しか稼動せず、また貴陽北駅止まりだった寝台新幹線を昆明南駅まで延長しただけだったが、その人気ぶりは凄まじく、7月後半から8月の半ばまで、寝台切符はほぼ売り切れの状態が続いている。

 D930次の車両は08年以降製造されたCRH2E。JR東日本で走っているE2-1000系の中間車両を2段ベッドの4名個室10室の定員40名の寝台タイプに改良した車両で、天井の高さは低く、身長180㎝の乗客が上段に上がると、上半身だけで頭が天井にぶつかってしまうため、かなり窮屈な思いをする。それでも、全区間2760㎞をほぼ時速200㎞、14時間13分で走り切る実力は、寝台列車のなかでもレベルが高い。寝台料金は金曜日と日曜日発の方が土曜日と月曜日よりも高く、金曜日に乗車した寝台下段料金は1390元だった。

 同列車の起点となる昆明南駅は、16年末に開業した、昆明市中心部より南東30㎞に位置する雲南一規模の大きい駅。南北を貫く同駅は、駅建物の規模こそ上海虹橋駅や広州南駅よりこぢんまりしているが、それでも島式ホーム16本、片面ホーム2本、平行に30本発着できるというのだからすごい規模。現時点で1日に貴陽方面と百色方面から合計約120本ものGとDの高速列車が発着しているが、中国主導のもと建設が進む東南アジア諸国を結ぶ国際鉄道が完成すればいずれ、同駅がアセアン鉄道の起点となる。

 列車が音もなく昆明南駅を発車したあとは、並走する滬昆線(上海〜昆明)をよそに速度をグイグイ上げていき、あっという間に表示速度が200㎞を超えた。隣町の曲靖駅までは盆地が続くが、そこから先はトンネルと橋梁が続く大自然が広がっていた。
 百度地図を見ると、曲靖〜安順間は滬昆線の方は大きく山の形をしたルートを取っているのに対し、滬昆高速鉄道はほぼ一直線のルートを取っており、昆明から貴陽までの距離は、在来線638㎞、高速鉄道463㎞と高速鉄道の方が短い。確かに乗車中カーブを感じることはなかったけど、改めて地図を見るといろいろ考えて作っている、と感心させられた。貴陽北駅では早着したため、同駅で60分間停車していた。

 貴陽北駅を出発後は、携帯電話の電波が圏外になるほど山奥深い場所を走ることになる。表示速度は250kmに達していた。食事は事前に昆明駅内で済ませており、レンジでチンする食堂車弁当は気が進まず、足りない分は寝台乗客にのみ配られる軽食を食べて過ごした。無料で配られるものとはいえ、味はいまいち。紅茶とミルクティだけは持ち帰るが、それ以外の物はどうしても残してしまう。

 食事後はウトウトしてしまい、急いでベッドに入り横になる。ベッドの奥行きは70㎝を超えており、プルマン式寝台と違いここから先が狭くなるといった特殊な作りでもないためこの辺りの乗り心地は普通の軟臥タイプの寝台に軍配が上がる。下から聞こえてくるモータ音が心地よい。北京に家族がいる中年の女性はイビキを立てて寝ていたし、他の上段ベッドの乗客も深い眠りについていた。列車は20時に凱里南駅に到着、21時12分に懐化南駅に到着。そして22時47分に長沙南駅到着後、北京西駅までノンストップ運行となる。

 昆明から北京を結ぶ寝台新幹線は、北京から昆明まで移動したい人にとってまさにうってつけの列車だ。車内環境は静かだし天井の低さに目をつぶれば、14時間の乗車時間を何とか過ごせる。あとはこの手の寝台新幹線がもっともっと全国に普及してもらいたい。昼間の行動に規制がかかる10時間移動の高速鉄道よりも夜に14時間かけて移動する寝台新幹線の方が人民だって幸せになれる。ただし、全区間を乗り通すことが前程だが。


画像説明

画像1   昆明南駅に停車中のD930次。ここから北京西駅まで一晩14時間の鉄たびがスタートする


画像2   昆明南駅のホームの数は何と30まである、雲南一の鉄道ターミナル駅。北側は貴陽方面、南側は南寧方面になっている

画像3   寝台新幹線の軟臥は屋根が低いため、どうしても上段ベッドは天井が狭くなってしまう欠点がある

画像4   通路に面した窓も座席ポジションに合わせているため、低く、立って外を眺めることはできない

画像5   昆明南駅の内部。以外とアッサリしている。出発前にこのフロアの店舗で、麺が安く食べれた

画像6   実は前日、大雨の影響で京広高速鉄道の長沙南〜汨羅東間が不通となったが、乗車日の当日に解除され無事に通過することができた

画像7   寝台乗客にのみ配られた軽食だが、今回はまあまあ

画像8   20分早着したため、1時間ほど貴陽北駅で待つことに。


データ
D930次
北京鉄路局北京客運段
区間:昆明南〜北京西
時間:16時17分〜翌6時30分
乗車:14時間13分
距離:2760㎞
料金:二等席851.5元、軟臥上段1190元、軟臥下段1390元